雨が蕭々と降っています

5月27日(木)雨

雨は午後からだと思っていたら朝から雨です。

おまけに肌寒い。

最高気温は昨日よりも5度も低い。

最近雨の日が多い。

雨の降る様を見ていると、どういうわけか「蕭々」ということばが浮かんで来ます。

「雨が蕭々と降る」。

何と今日の雨、5月の雨にふさわしいのでしょう。

雨の降る音は、ザアーザアー、シトシト、ポツポツ、パラパラ、バラバラ・・・たくさん使われています。

さて、今日のような雨の降り方をどう表現するか?

シトシト、ポツポツ・・・かなー?

近いけど、イマイチしっくりきませんねー。

・・・そんな時に浮かんでくる言葉が「蕭々と降る」。

初めてであったのが中学校の国語の教科書。

三好達治さんの詩「大阿蘇」です。

こんな詩です。

 

大阿蘇

雨の中に馬がたつてゐる
一頭二頭仔馬をまじへた馬の群れが 雨の中にたつてゐる
雨は蕭々(しょうしょう)と降つてゐる
馬は草をたべてゐる
尻尾も背中も鬣も ぐつしよりと濡れそぼつて
彼らは草をたべてゐる
草をたべてゐる
あるものはまた草もたべずに きよとんとしてうなじを垂れてたつてゐる
雨は降つてゐる 蕭々(しょうしょう)と降つてゐる
山は煙をあげてゐる
中岳の頂きから うすら黄ろい 重つ苦しい噴煙が濛々(もうもう)とあがつてゐる
空いちめんの雨雲と
やがてそれはけぢめもなしにつづいてゐる
馬は草をたべてゐる
(くさ)千里(せんり)(はま)
のとある丘の
雨に洗はれた青草を 彼らはいつしんにたべてゐる
たべてゐる
彼らはそこにみんな静かにたつてゐる
ぐつしよりと雨に濡れて いつまでもひとつところに 彼らは静かに集つてゐる
もしも百年が この一瞬の間にたつたとしても 何の不思議もないだらう
雨が降つてゐる 雨が降つてゐる
雨は蕭々と降つてゐる

 

令和3年5月27日午後4時4分、雨にけぶった林に電柱に家屋に・・・雨が蕭々と降っています。
と思っていたら、風の音を交えて強く降ってきました。
この降り方は「蕭々」ではないですね。
何と表現したらいいのだろう。


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