絶対に・・・
12月24日(土)晴れ

戦争が始まると、世の中はどうなってしまうでしょうか。

家族は、学校は、生活は、そして人の心は、

どのようにかわってしまうのでしょうか・・・。

作家・半藤一利さんが自分の目と耳と心で体験した真実の話。

こんな言葉に惹かれて『焼けあとのちかい』(文・半藤利一、絵・塚本やすし)という絵本を借りてきました。

「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍、午前6時発表・・・帝国陸軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり・・・」
テレビのドラマや第二次大戦ノンフィクション番組で何度も耳にした言葉。

テレビでなく、ラジオで実際に聞いた半藤さん、小学5年12月8時午前7時。

戦争がはじまると、いろんなものがなくなっていきました。

商店から売りものがなくなりました。
そのため新しい服が買えず、わたくしも友だちも、つぎはぎだらけの服になりました。

大好きなべエゴマは生産中止になりました。

白いごはんが食べられなくなり、まずい玄米にかわりました。

そのうち朝ご飯がぬきになり、

毎朝おなかペコペコのまま登校するようになりました。

 

敵の言葉である英語の使用が禁止され

野球の「ストライク」は「本球(ほんきゅう)」に、

「ボール」は「外球(がいきゅう)」にいいかえられました。

飼い犬や猫は強制的にどこかにつれていかれ、

動物園のライオンやゾウ、クマやトラなどは殺されました。

けいじ板や電柱など町のいたるところに、

「ほしがりません勝つまでは」「ぜいたくは敵だ!」といった
戦意高揚のスローガンがかかれたポスターがはられるようになりました。

そして、いつのまにか町から若い男の人がいなくなり、

通りを行きかう人たちから笑顔や笑い声が消えていきました。

・・・・(略)・・・

この世に「絶対」はない、ということを思い知らされました。

絶対に正義は勝つ、絶対に神風がふく、絶対に日本は負けない。

絶対にわが家は焼けない。絶対に焼い弾は消せる。

絶対に自分は人を殺さない。絶対に・・・絶対に

・・・・(略)・・・・

そのとき以来、わたくしは二度と「絶対」という言葉はつかわない。

そう心にちかって今日まで生きてきました。

しかしいま、あえて「絶対」という言葉をつかって

どうしても伝えたいたったひとつの思いがあります。

『戦争だけは絶対にはじめてはいけない』

 

連日ウクライナの様子がニュースで流れます。

爆撃され住宅、厳寒、停電・・・笑顔や笑い声のない街が放映されています。

テレビから流れるウクライナの人たちとダブらせながら絵本を読みました。

IMG_3295