11月30日(金)曇り
            ぼくらが政治家に聞きたいのは、明日の日本像だ
「消費支出が経済成長につながる」
よく耳にする。そして、そうなんだと思ってきた。
地デジ対応テレビ、ハイブリットの車・・・補助金まで出して消費を推進する。我が家も補助金が出るなら買わなくては損とばかりに購入。
液晶画面世界一の美しさといわれたS社は、一時大盛況であった。
そして事業を拡大し、社員を増やした。
ところが、日本中の家庭に「地デジ対応テレビ」が入ると、購買力は減少。
一転して人員削減へ。
「不景気を脱するにはもっと消費推進を」、何だか不思議、難しい経済学?
そんな疑問を少しスッキリさせてくれる記事に出会った。
 
今の成長は「人間のための成長」ではなく、「成長のための成長」になり果ててしまっているのだ。
「経済成長には国民にもっともっと消費させることが必要になってくる。でも、福袋しか買うものがないようなこの時代に、これ以上何を買えっていうのかね」
「地球は人類の必要を満たすには十分だが、あくどい欲望を満たすには小さすぎる」とガンジーさんは言ったが、こんな成長路線を走り続けたら地球がぶっこわれるのは目に見えているし、「日本の再生」だって危ない。
 そうでなくても、成長がそのまま景気回復につながるわけじゃない。そんなまやかしより、ぼくらが政治家に聞きたいのは、明日の日本像だ。
 成長にこだわるから大量生産・大量消費の歯車をまわすための原発も必要になる。国民をのせるための甘い言葉より、みんながほしがっているのは、明日のこの国の物語を語る政治家の誠実な言葉じゃないのかな。
 
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                                                        朝日新聞朝刊 平成24年11月29日より
 
「成長がそのまま景気回復につながるわけじゃない。そんなまやかしより、ぼくらが政治家に聞きたいのは、明日の日本像だ」。
そうだ、これだ、何か心の中でくすぶっていたのは。
天野祐吉さん、スゴイ。
各党や立候補者のマニフェストに注目だ。
どんな明日の日本像を語っているか、楽しく新聞を読めそうだ。