6月3日(月)曇り
       御宿海岸に月見草が咲き出しました
今年も月見草が咲き出しました。イメージ 1
昨年のブログを見ると、5月の下旬にたくさん咲いていました。
春先の寒さの影響でしょうか、今年はまだ花数が少ないように思われます。
それに、月見草が少ないようにように思われます。
砂丘の地面の砂がやけに目立ち、緑の月見草の数が少ないです。
これから、咲くのでしょうか?
それとも、毎年毎年数が減って、やがて月見草の砂丘も、砂だけの砂丘になってしまうのでしょうか。
それは、寂しいです。
 
「御宿海岸月見草」というと、「加藤まさを」です。
バラがとっても好きだったようですがイメージ 2、月見草を描いた
詩や絵もたくさんあります。
加藤まさをの絵には、必ず美しい女性が登場します。
そして、場所は御宿海岸を連想させます。
加藤まさをの小説にも、御宿海岸と思われる場所が登場します。
 私が、1か月ばかりをとある海岸に暮らした時のことであった。夏のことだったので、海辺は毎日避暑客で賑わっていたが私は目的が絵を作ることだったので、画具を担いでは、静かな砂山や、画になりそうな漁夫の荒屋(あばらや)を漁(あさ)り歩いて日を暮らしていた。(略)
 私は、毎日毎日、熱心に、同じ時刻にその砂丘へ通った。
 すると、不思議なことに、毎日毎日、欠かさずその砂山で見かける一人の少女があった。イメージ 3
 その少女は、いつもきまって同じ場所に座って、しょんぼりと遠い沖を眺めている。
                         『忘れ得ぬ写真』より
大正時代に結核を患って、御宿の旅館「浜見屋」で療養生活をしたことを、随筆「御宿の思い出」で回想しています。
 
たくさんの詩にも月見草が出てきます。
     雨の夜の月見草
海辺の、
砂山の、
月見草。
 
雨の降る夜は、
泣きたかろ。
 
待っても待っても
月は出ず、
呼んでも呼んでも
人は来ず。
 
一人ぼっちで、
泣きたかろ。
              『加藤まさを抒情詩画集』より
 
ところで、月見草の由来は「月が美しいツキミソウの花を観る」こと。
それとも「ツキミソウの花が美しい月を観る」こと。
いったい、どちらなんでしょうか?