7月23日(土)晴れ
    秘湯の旅~乳頭温泉郷~その3
暑い暑い、昨日も暑かったが今日もうだるような暑さです。
朝のラジオ体操が終わると、汗をかいています。
風が無く、ジトーっとした身体にまとわりつく汗です。
下界は本当に暑いです。
乳頭温泉郷の涼しさが恋しいです。
秘湯巡りを思い出しながら「乳頭温泉郷その3」をつづります。
朝風呂♪青いせせらぎを聞きながら
 午前5時20分、目が覚める。雨音がすごい。天気予報通り今日は雨か、と思いながら障子窓を開けると、雨は降っていない。このすさまじい音は砂防ダムの流れ落ちる音だった。熟睡し気分爽快。
 タオルを持って風呂へ。先客が一人。貸し切り風呂状態。露天風呂で砂防ダムを見ながら湯に浸る。時々、冷たい朝の冷たい風が吹く。寝ぼけた身体が目覚めていく。風呂の縁に両手を置き、両手の上に顔を横たえてボンヤリと砂防ダムから流れ落ちる水を眺める。美空ひばりの「川の流れのように」を口ずさんだ。覚えているのは所々。帰宅してから歌詞を調べた。文字で見ると一段とステキな歌詞。
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♪知らず知らず 歩いてきた/細く長い この道/ 振り返れば 遥か遠く/故郷(ふるさと)が見える/
 でこぼこ道や 曲がりくねった道/ 地図さえない それもまた人生/ああ 川の流れのように ゆるやかに/いくつも 時代は過ぎて/ ああ 川の流れのように とめどなく/空が黄昏(たそがれ)に 染まるだけ/生きることは 旅すること/終わりのない この道/ 愛する人 そばに連れて/夢 探しながら/雨に降られて ぬかるんだ道でも/ いつかは また 晴れる日が来るから/ ああ 川の流れのように おだやかに/ この身を まかせていたい/ ああ 川の流れのように 移り行く/季節 雪どけを待ちながら/ああ 川の流れのように おだやかに/ この身を まかせていたい/ ああ 川の流れのように いつまでも/青いせせらぎを 聞きながら♪
 
川の流れは人生によくたとえられる。人の一生なんて海に流れていく川の水の一滴。五木寛之の『大河の一滴』も浮かんできた。そして鴨長明の『方丈記』ゆく川の流れは絶えずしてもとの水にあらず よどみに浮かぶうたかたはかつき消えかつ結び・・・が浮かんできた。
 人生最後の4コーナー、「せせらぎを聞きながら おだやかに 身をまかせて過ごして行こう」なんて少しセンチな気分になっていた。
大釜温泉
 今日の秘湯巡りは大釜温泉から。妙乃湯から歩いて10分とかからないが、雨が降って来そうなので車で移動。宿の前で記念撮影していると
「シャッター押しましょうか」
と従業員。心配りがうれしい。9時35分、手を振りながら宿を後にする。
 宿の建物がおもしろい。廃校となった小学校の建物を移築し、旅館にしたのだという。言われてみると玄関の三角屋根は昔の校舎の玄関だ。
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 朝も早いせいか、入浴客はわれわれだけ。空に黒雲がわいている。雨が心配だ。
鶴の湯温泉
 昨日入湯できなかった鶴の湯温泉へ。テレビや旅行雑誌に登場し、乳頭温泉郷の代表ともいえる鶴代湯温泉。さすがにぎわっている。屋根もない、天井は空、周りの囲いもない草茂る自然。こんな自然が人を解放するのだろう。混浴だ。おばちゃん、おばあちゃん達も入っていくる。
 湯の色は牛乳色。牛乳は乳色。乳頭温泉の名前の由来は、このお湯の色から?でも待てよ、乳頭っておっぱいの乳首でしょう。
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「乳頭温泉って、どうして名前がつけられたのですか」
「・・・乳頭山ってあるんですよ。それで乳頭温泉って言われるのです」
そうか、山の名前からこの温泉名が命名されたのか。ということは、乳頭山の形はおっぱい?雲のため視界が悪く、今回、望むことが出来なかった。
 帰りに田沢湖駅の構内に近辺の山や川、温泉、施設を配置したジオラマがあったが、そこにも乳頭山はない。ますます気になる。帰ってからインターネットで調べると、こんなふうに説明されていた。
「秋田県側から見ると乳房を伏せた形に見えるので「乳頭山」と名付けられている。一方、岩手県側からは烏帽子のように見えるので、「烏帽子岳」や「烏帽子山」と呼ばれている」
写真も載っていた。確かにおっぱい形の山だった。疑問が解け、心も安らいだ。
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 乳頭温泉の牛乳色も感激したが、江戸時代を思わせる宿の建物群に感動した。
休暇村乳頭温泉郷
 今回最後の温泉休暇村温泉。雨が降り出し、露天風呂に入るなり音をたてて本降りになってきた。先客は一人。
「本格的に降ってきましたねえ。屋根があってたすかりますねえ」
「どちらから」
「千葉県の柏からです」
「千葉県ですか、私達も千葉県です。・・・外房方から」
「・・・昨日は秋田駒ヶ岳に登ったんですよ。高山植物がいっぱい咲いてましてきれいでしたよ」
「どのくらい歩かれるんですか」
「八合目までバスで行って、そこから歩いて2時間くらいかかりました・・・」
「ここへはよく見えられるんですか」
「ええ、毎年3泊くらいで来るんですよ。下のホテルを起点に温泉巡りですよ・・・この夏、今度は白馬の方へ行く予定なんですよ」                         
夫妻二人旅。子どもたちは仕上がって家の留守番は子ども夫婦がしているので、二人で好きな山に登っているのだという。こんな老後もあるか。背筋がピンとのび姿勢がいい。
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 昼食はここのレストラン。昼食をすませれば田沢湖に寄って新幹線に乗るだけ。温泉巡りも終了。
「どうもご苦労様でした」
と、旅の無事を感謝して生ビールでカンパーイ。
 田沢湖駅でみやげを買って午後3時12分こまち24号で東京へ。東京着午後6時4分。
 東京駅午後7時特急、午後8時30分帰宅。
 疲れたあー。
 今日4回目の風呂に入って就寝。
 
ヒャー疲れた、疲れました。
たった1泊2日の旅なのに、思い出して記録しようと思うと、なかなか思い出せないものです。
写真も、文章を書いていると、あの場面の写真を撮っておけばよかった、なんて思えてきます。
書き残したところがまだまだありますが、ひとまず「秘湯の旅~乳頭温泉郷~」 おしまいにします。
ありがとうございました。