じいさん晴耕雨読

じいさんの戯言を記録しています。

タグ:小説

電子書籍で文藝春秋「コンビニ人間」を読みました
8月23日(火)雨のち晴れ
「コンビニ人間」あらすじ

古倉恵子36歳、未婚。
コンビニのバイト18年目。
コンビニオープンから「スマイルマート日色駅前店」で働きつづけています。

変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目。
夢の中でもコンビニのレジを打つ。
コンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな生活を保障。
完璧なマニュアルのコンビニこそが、居心地がいい。

ある日、新入り男性、白羽がやってきてた。
そんなマニュアル化した「コンビニ的生き方」は「恥ずかしくないのか」と迫られます。

マニュアル化したコンビニでしか生きられない人物を描きながら、『普通』と呼ばれる人への批判。
人間が持っている二面性(「マニュアル化・マニュアル化への批判」)にドキッとしました。
 
今回、電子書籍で読みました。
なぜなら、読んでしまうとやがて捨ててしまう雑誌。(モッタイナイ)
取って置くと、本棚がいっぱいになります。
雑誌「文藝春秋」も電子書籍で購入できると知ったので買ってみました。
こりゃいい。
こんな小さな機器の中に入れておくことができるのです。
そして、捨てる必要もありませんし、場所もとりません。
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連載小説「うめ婆行状記」が終了しました
3月15日(火)晴れ
やっと晴れました。
青い空からまぶしい陽が降りそそぐ朝は、やはり爽快です。

の空を見上げて

 今日という一日が
 笑顔でいられるように・・・


思わず口ずさみます。
庭のアンズの花が咲き始めていました。
梅、サクランボの花が終わって、今度はアンズです。
・・・次の主役、桃の花も小さなつぼみをつけ、出番を待っています。

夕刊の連載小説「うめ婆行状記」(宇江佐真理)が今日で終わりました。
楽しませていただきました。
ありがとうございました。
「連載終了に寄せて」が夕刊に載っていました。

・・・私たちはみな、いつどこで断ち切られるかわからない命を生きています。
それでも人生は続いていくし、歴史も続いていく。
宇江佐さんが書こうとしていたのはそんな人間の営みだった。・・・

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      2016年3月15日「朝日新聞夕刊」

『うめ婆行状記』にはまっています
1月29日(金)雨
天気予報通り雨になりました。
朝は、空が雲に覆われているせいか、いつもより温かでした。
しかし日中の気温は上がらず、寒く感じました。
それもsのはず、昨日より7度も低い気温。

今、朝日新聞夕刊『うめ婆行状記』という連載小説にはまっています。
作者は宇江佐真理さん。
昨年11月に乳がんで亡くなる直前まで書き続けた遺作です。
五十路に近づいた「うめ」が第二の人生を喜怒哀楽に歩む人生小説。
江戸時代ですので、50歳は人生の晩年ですかねえー。
定年を過ぎ、今まさに第二の人生を歩んでいる自分に重ねながら読んでいます。
1月27日第12話、次のような一節がありました。

「徳さんは腕のいい指物師だ。仕事ができなくなっても指物師の親分として堂々としてほしいのさ。へなへなになった徳さんを見るのは、おれ、いやだ」
「てっちゃんの言う通りよ。誰でも年をと取るのよ。でも、ただ老いぼれて行くのはつまらない。自分ができることを見つけ、楽しく暮らさなきゃ。それで、本当に死ぬ時は、ああおもしろかった、楽しかったと言って死ぬのよ」
うめも力んだ声で言った。

うめの言葉が作者宇江佐真理さんの言葉(思い)でしょう。
「ただ老いぼれて行くのはつまらない。自分ができることを見つけ、楽しく暮らさなきゃ。それで、本当に死ぬ時は、ああおもしろかった、楽しかったと言って死ぬのよ」
安里英晴さんの独特な挿絵にまた心引かれます。
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房総半島の小さな漁港を舞台にした小説『トワイライト・シャッフル』
1月13日(水)晴れ
快晴、冷え込んだ朝でした。
霜の白さが一段と濃く、車の窓が凍っていました。
バケツに薄く氷。今季初氷りです。

当地、御宿町を舞台にした小説が出版されたことを聞いたのは1年ほど前でした。
買って読もうと思っていたら、忘れていました。
先日「御宿が舞台になっているので読んでみない。蔵書にしたいような本でもないし、もらって」
と、『トワイライト・シャッフル』乙川優三郞著をいただきました。
短い13話の小説集です。
「イン・ザ・ムーンライト」「サヤンテラス」「ウォーカーズ」「オ・グランジ・アモール」「フォトグラフ」「ミラー」「トワイライト・シャッフル」「ムーンライター」「サンダルズ・アンド・ビーズ」「ビア・ジン・コーク」「366日」「私のために生まれた街」「月を取ってきてなんて言わない」
房総の田舎町が舞台なのに、このように横文字の題名が多いです。
表紙も写真のように英語です。
人物、場所、風景、雰囲気の描写がスゴイ。
本当に当地の状勢や現状を把握されています。
話はフィションでしょうが、モデルがいるでしょう?
取材はどうされたのでしょう?
疑問はつきません。
ま、一見は百聞にしかずです。
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当地をご存知の方、いかがですか?

 房総半島の、太平洋に面した町。小さな漁港があり、かつては海女がたくさんいた。高台は別荘地として造成され、新たに定住するひともいる。夏はサーフィンなどを楽しむ観光客でにぎわい、それ以外の季節は波が打ち寄せるばかりの町。
 その土地を舞台に、訪れるひと、去るひと、どこへも行けないひと、さまざまな人生の瞬間を切り取った十三編が収められた短編集。いずれも高密度・高水準で、素晴らしいとしか言いようがない。
・・・・(後略)  2014年08月24日
 作家の「三浦しをん」さんが上記のような書評を書いていました。

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『終わった人』内舘牧子を読みました
12月11日(金)暴風雨のち曇り
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昨夜からの強い風雨が、今朝も続いています。
昼過ぎに雨は止みましたが、風が一日中吹いていました。
一日中、家の中。
Mさんから、「良い本だぞ読んでみな」と勧められていた本。
『終わった人』内舘牧子を読みました。
主人公田代壮介は63歳。
定年退職を迎え、生きがいと居場所を求めさまよう退職者(終わった人)のお話です。
同じ退職者。
自分とダブらせて読みました。
・・・なんとも、おかしくて、悲しい物語でした。

2ヶ月が過ぎ、とうとう歩数計を買った。もはや散歩でもしない限り、時間をつぶせない。
現役時代にスケジュールで余白がなかった手帳は、真っ白だ。(略)
「以前の俺は一日に一万歩以上歩いていたよな(略)」
「会社止めると、ホント年取るよ。たぶん5千歩も歩いていないよな、俺」(P30)

「・・・声かけてくれればよかたのに」
「ちょっとかけられなかった」
「何で・・・」
「スーツ姿だったけど、スーツが息をしていなかったから」
「息を・・・?」
「仕事を離れて、スーツにふさわしい息をしていない男は、スーツは似合わなくなるのよ」(P159)

定年が60歳から65歳であるのも、実に絶妙のタイミングなのだ。
ていねんという「生前葬」にはベストの年齢だ。
あとわずか15年もやりすごせば、本当の葬儀だ。
(略)
「先が短いから、好きなように生きよ」ということなんだ。
嫌いな人とはメシを食わず、気が向かない場所には行かず、好かれようとも思わず、何を言われようと、どんなことに見舞われようと「どこ吹く風」だ。
これは先が短い人間の特権であり、実に幸せなことではないか。(P287)

言葉の一つ一つがビンビン響きました。
小説家ってスゴイ。

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